
展覧会
exhibition
当館では約4300点のコレクションのなかから選ばれた約60~70点の作品をお楽しみいただけます。
浮世絵ギャラリーではテーマを設けた展覧会を年5回開催し、
毎回コレクションのなかから約40~50点を展示しています。
常設展示室では創立者十二代茂木七左衞門(1907-2012)が収集した日本の近現代に制作された
日本画や洋画、工芸品等を展示しています。
浮世絵ギャラリー
「北斎の冨嶽三十六景―赤と青―」展
2023年5月17日(水)~7月2日(日) 本展で展示する《冨嶽三十六景》は、葛飾北斎(1760~1849)によって描かれた富士山を題材とする浮世絵で、北斎の代表作ともいえるシリーズです。出版当初は36図でしたが、人気のため10図が追加され全46図となりました。
世界的名作で'Big Wave'として知られ、新千円札のデザインになる「神奈川沖浪裏」、通称「赤富士」と呼ばれる「凱風快晴」、「黒富士」と呼ばれる「山下白雨」の3図は、三役とよばれ、本シリーズのなかでもとりわけ芸術性の高い作品として評価されています。本展ではこの3図のほか、現存する図は7点しか確認されていない「青富士」と呼ばれる「凱風快晴」の藍摺版も展示します。今回は「赤富士」と「青富士」を見比べてご覧いただく貴重なチャンスです。
ドラマチックに赤く染まった富士と、清々しく透き通るようなブルーの富士、江戸のロマンを感じながら、様々な趣向が凝らされた《冨嶽三十六景》の豊かな世界をどうぞお楽しみください。
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《神奈川沖浪裏》
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《凱風快晴》
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《凱風快晴 藍摺版》
「生誕140年 川瀬巴水 版画の旅」展
前期:2023年9月6日(水)~10月22日(日)後期:2023年10月25日(水)~12月10日(日)
大正・昭和期に活躍した版画家・川瀬巴水(1883-1957)。2023年は生誕140年の節目の年にあたります。本展では、当館の収蔵作品より、巴水の画業を一望すべく、初期から晩年までの代表的なシリーズから約100点を前期・後期に分けて展示します。
巴水の画業は1923年の関東大震災の前後で大きく変わります。前期は、伯母夫婦が住み子供のころから訪れ慣れ親しんだ風景を取材したデビュー作《塩原三部作》や、写生旅行によって制作されたことから《旅みやげ》と名付けられたシリーズを中心に、人気版画家として一躍有名になっていく巴水の画業を紹介します。
後期では、1923年の関東大震災での作品や版木、写生帖などを焼失した巴水が、失意のなかから新たな創作意欲を掻き立て取り組んだ《旅みやげ第三集》のシリーズや、復興に向かう東京の風景を取材した《東京二十景》、富士山を描いた風景画や戦後の晩年の作品などを紹介します。
巴水は、生涯を通して日本中を旅し、自身が訪れた各地の風景と人々の暮らしを丁寧に写生し、それらを基に版画を創作してきました。旅情詩人ともいわれた巴水の人生と彼が描いた日本の風景をお楽しみいただければ幸いです。
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「塩原おかね路」
1918(大正7)年
[前期展示]
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「東京二十景 馬込の月」
1930(昭和5)年
[後期展示]
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「吉田の雪晴」
1944(昭和19)年
[後期展示]
常設展示室
常設展示室では日本画や洋画など約20点を展示しています。
ファウンダーズ・ルームでは十二代茂木七左衞門のお気に入りの作品をご紹介しています。
ギャラリー1の天井には
富士山と筑波山を結んだ線と並行に切り取られた「富士山軸」の窓があり、
光あふれる展示空間になっています。

